ハゲ天

授業の合間に、晩御飯を食べに外にでる。
日が長くなったのか、5時過ぎだが、まだ暗くない。
銀座の街をぶらぶら歩く。
春休みになったのか、子どもが目に付く。
伊東屋も、小学生を連れたお母さんでごった返していた。

今日はどこに入ろうかと、ぶらぶらしていると
『ハゲ天』という看板が目に入った。
ここ数年で、すっかりハゲの仲間入りをした私には、
ちょっと素通りし難い、店の名だ。

自分から、『ハゲ天』と名乗るかぁ?普通・・・。
よくみると、店の名の由来が書いてあった。

以下、参照。



店の名前は『たから』だったのに、みんな『ハゲ天』
としか呼んでくれなかった、っていうのは、なんとも面白い。
『たから』をやめて、『ハゲ天』にしたという決断もえらい!
発音しやすいとか、親しみやすいとか、一度聞いたら忘れないとか
色色な意味で、いい名前かも知れない。


面白いから、入ることにした。
店内は込み合っていて、合席になった。

桜鯛天丼 980円を注文した。



鯛の切り身を塩漬けの桜の葉で巻き天ぷらにしたもの、
小さめのエビ2本、インゲン、筋張ったタケノコ、その他・・・
色色載っていて、美味しかった。
御飯が、ちょっとかために上手く炊いてあったのが良かった。
味噌汁は赤だし。


『ハゲオヤジがハゲ天で天丼食べてる・・・』
と思うと、われながら笑える。


食べ終わって、お茶をすすっていると、
隣の席のオヤジもちょうど食べ終わったらしい。
楊枝をくわえて、『シーッ、ハーッ』っと盛大に音を立てている。

他に食べてる人がいるのに、失礼だろう、このオヤジ・・・。
と思いながら、オヤジの顔を見る。


笑ってしまった。


そのオヤジ、ヅラだった。
しかも、ちょいヅレている。

『ハゲ天で、ハゲの隣は、ヅラ・・・』
そう思うと、われながら、かなり笑えた。

失礼なのは、私の方か?!