bmw

私は、最近までずっと、BMWに乗ったことがなかった。
ディーラーには、何度か行ったことがあった。
しかし、ディーラーに行くと、はなから全く相手にしてもらえず、
ほとんど門前払いのような状態だ。
たぶん、乗りつける車がボロすぎるのがいけないのだろうが、
いまのところ、客として扱われたことはない。
『車で人を判断するんじゃねぇ!』といってやりたいが、
シートがボロボロに裂けた国産車に乗ってきたやつが、
BMW買うとも思えないし、まあ、順当な判断なんだろう。


そんなわけで、ご縁がなかったのだが、昨年秋に、運転する機会に恵まれた。
宇都宮から中野まで、約4時間、東北自動車道と一般道を走った。
車は友人の紺のBMW・3シリーズ。ATの車だった。


で、乗った感想。
私としては、かなりカルチャーショックだった。
音が静か、しかし、エンジンのイイ音はしっかり聞こえてくる。
乗り心地もとってもしなやかで気持ちいいのに、
さらにステアリングフィールは最高。
ステアリングを斬ると、思ったとおりに超気持ちよく
『ス〜』っと曲がっていく。
微塵も不安を感じさせない、安定感を伴う操舵感だ。
アンダーもオーバーもナイ、とってもニュートラルな感じ。


日頃『アンダー → オーバー → アンダー → オーバー 』と
非常に出入りの激しいFR車に乗っているから、余計そう感じたのかもしれないが、とっても上質な素晴らしい車だった。 


北関東自動車道から東北自動車道に入るジャンクションで、
大きなRで左に曲がりながら合流するところがあるのだが、
余りの気持ちよさに、感嘆の声を上げてしまった。


もうちょっと年をとって、ボロ車に体がついて行けなくなったら、
乗ってみたい車だなと思った。
当然、もしもお金に余裕があったら・・・の話だが。



私は普段、sonyVAIOを使っている。
新型が発売されたりするたびに、銀座のソニービルに寄って見ていた。


ソニービルの2階には、いつもBMWが展示してある。
しかし、買う気もないし時間もないし、
余りじっくり見たことがなかった。
『なんだか大きいBMWが置いてあんな〜』という感じで、
横目で見つつ、通り過ぎていた。



綺麗なお姉さんが、カウンターから睨みつけているのも、
なんだか近寄りがたい要因だった。
『貧乏人は近寄るんじゃないよ!』ビームが、
私に向かって発射されているように感じていた。


先日、ソニービルを訪れた時、ちゃんと車を見たことがないことに気づき
『たまには車も見てみるか』と思い、お姉さんにちょいビビリながら見てみた。


で、諸元表を見て、ぶったまげた。
ただの『でかいBMW』ではなかった。
置いてあった車は『BMW M5』という車。
V10・5000cc、507馬力のエンジンと、7速ATを積んでいる。
値段は、13,300,000円と書いてある。



確かに、ソニービルの2階に、一台ポッキリ置いてあるんだから、
安いわけないよなぁ。
綺麗なお姉さん2人と、オジサン1人も常駐してるみたいだし。


タイヤは、新車の状態できっちりフェンダーツライチになってるし、
よく見ると、なんだかとってもカッコよく見えてきた。



でも、こんな高い車買えないよん。
どんな人が、買うんだろう?
いったい、このソニービルで、月に何台売れるんだろう?
パソコン見に来たついでに、M5買って帰る人、いるんだろうか?
『あら、この車、いいわねぇ。』
『おいくら?1330?あら、安いわねぇ』
『ぢゃあ、一台いただくわ・・・。』みたいな。


綺麗なお姉さんに質問したくなったが、さすがの私も聞けなかった・・・。